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受け継がれるぶどう酒造り

菱山中央醸造では地域の武道農家と共に昔ながらの方法でぶどう酒を作っています。
この地域で行われてきたぶどう酒造りの工程をご紹介します。

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Process 1 仕込み

山梨県認定第1号

【持ち寄る】
10月中旬頃、菱山地区の約30軒のぶどう農家が手摘みした
甲州ぶどう(傷ついた粒などは、手 摘みの際に取り除きます)を持ち寄り、協力して仕込み作業をします。 3月頃、ぶどうを持ち込んだ量に 応じて、出来上がったぶどう酒を分け合います。

  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 1 仕込み)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 1 仕込み)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 1 仕込み)

Process 2 破砕

【粒を潰す】
まずは、破砕機にぶどうを 房ごと入れ、軽く潰します。
これは桶の中でぶどうを踏む作業と 同じです。ぶどうは粒なので、一度潰さなければ果汁をうまく搾れないからです。熟したぶどうを破砕機に入れると甘い香りが、辺りいっぱいに 漂います。

  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 2 破砕)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 2 破砕)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 2 破砕)

Process 3 圧搾

【果汁を搾る】
破砕したぶどうを木枠の樽でできた搾汁器に詰め、汽車のレールとジャッキを使って果汁を搾ります。昔ながらのバスケット方式と呼ばれるこの圧搾法は、樽にかかる圧力は10トンにも及び、この方法で50%程度までぶどうを搾ることができます。現在、ワイナリーで使われるバスラー(自動搾汁機)では80%前後まで搾ります。菱山中央醸造では、苦味や渋みを抑えるように搾り過ぎない一番搾りの良い果汁のみを仕込むので、品質の良い贅沢なぶどう酒になります。

  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 3 圧搾)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 3 圧搾)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 3 圧搾)

Process 4 発酵&熟成

【果汁を発酵させる】
搾汁した果汁をタンクに移し発酵させます。ぶどうは皮の周りに酵母菌を持っているので自然に発酵が始まります。果汁の質や気温・湿度などの条件で毎年発酵の度合いが変わります。活発に発酵が進むと発酵熱で温度が上がり、あっという間にお酒になってしまうので、ゆっくり発酵させるために、タンクに水をかけて冷やしたり、温度管理しながら適切な発酵を促します。発酵を終えたぶどう酒は冬の間に熟成させます。

 

  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 4 発酵&熟成)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 4 発酵&熟成)

Process 5 打栓&キャップシール貼り

【瓶詰め】
冬の間に熟成したぶどう酒は、濾過して瓶に詰めます。ぶどうを持ち寄った農家には一升瓶で割り当てられます。農家では、この日のために飲み終わった一升瓶をきちんと保管しています。ぶどう酒は晩酌にしたり親戚知人に配ったり、お客様に振舞ったりします。冠婚葬祭にもぶどう酒は欠かせません。ここでは、地酒として生活に根付いており、私たちはワインではなく“ぶどう酒”と呼びます。

  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 5 打栓&キャップシール貼り)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 5 打栓&キャップシール貼り)

Process 6 打栓&キャップシール貼り

【瓶詰め】
冬の間に熟成したぶどう酒は、濾過して瓶に詰めます。ぶどうを持ち寄った農家には一升瓶で割り当てられます。農家では、この日のために飲み終わった一升瓶をきちんと保管しています。ぶどう酒は晩酌にしたり親戚知人に配ったり、お客様に振舞ったりします。冠婚葬祭にもぶどう酒は欠かせません。ここでは、地酒として生活に根付いており、私たちはワインではなく“ぶどう酒”と呼びます。

 

  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 6 打栓&キャップシール貼り)
  • 受け継がれるぶどう酒造り(Process 6 打栓&キャップシール貼り)

おいしさの秘密

ぶどうと菱山

菱山地区は甲府盆地の東に位置しています。勝沼町の中でも標高が500mほどと高く、昼と夜の寒暖差がある地域です。1日の気温の差が大きいところでは甘みと酸味の整った良質のぶどうが育ちます。南西向きの傾斜地なので、日当たりがよく、水はけや風通しが良いこともぶどう作りに適しており、「ぶどうに選ばれた土地」と呼ぶ人もいるくらいです。世界中のおいしいぶどう・ワインの産地が丘の中腹にあります。菱山地区もこのような条件を備えた地形です。

受け継がれるぶどう酒造り(おいしさの秘密)

ぶどう酒になる品種

日本のぶどう農家は、生食ぶどうの生産が中心です。昭和30 年代から50年代までは、種なしのデラウエアの生産が盛んで、デラウエアでぶどう酒を造っていました。最近では、巨峰・ピオーネ・シャインマスカットの生産が増えています。生食用の甲州は白に、ベーリーA は赤のぶどう酒になります。ぶどうは傷んだ粒を取り除けば流通できますが、その中で房の隙間が大きく開いたものは、見た目が悪いといわれ、価格が下がってしまいます。そこで、この味の変わらないおいしい生食用のぶどうをぶどう酒に活用しています。

受け継がれるぶどう酒造り(ぶどう酒になる品種)

地酒といえばぶどう酒

勝沼のぶどう酒造りは、明治時代、殖産興業の国策から始まりました。健康飲料として出荷される一方で、農家も自家用のぶどう酒を作りました。昭和初期、国から菱山地区にぶどう酒の醸造免許がここ三森家に下りたのが菱山中央醸造の始まりです。以来、収穫したぶどうで菱山地域のぶどう農家と共に、昔ながらの手絞りで、ぶどう酒を造っています。晩酌はもちろん、冠婚葬祭や寄り合いでもぶどう酒が欠かせません。勝沼の地酒といえばぶどう酒です。

受け継がれるぶどう酒造り(地酒といえばぶどう酒)

循環型農業

果汁を搾ってできたカスは畑にすき込み発酵堆肥として利用します。自然から貰ったものを自然に還す循環型農業が独特の味を作ります。畑では草生栽培という自然農法を取り入れています。除草剤を使えばきれいな農地は維持できますが、除草剤に抵抗力のある草やすぐ生える草が増えてしまいます。草の種類が限られると住み着く虫や微生物の種類が減り、環境バランスが崩れます。そこでぶどうに良い環境を保つため家畜に草を食べてもらいます。フンは肥料にもなり、家畜が元気な環境は、おいしいぶどうを作るバロメーターにもなっています。

受け継がれるぶどう酒造り(循環型農業)